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渋温泉 御宿ひしや寅蔵

 いくつも旅をしていると、もう一度泊まりたいと思う宿に出会うことがある。
 渋温泉の中心にある共同浴場渋大湯。そのすぐ隣、但し大通り沿いではなく、脇に入った小路の隣に建つ老舗宿、ひしや寅蔵もそのひとつ。

 緑の楓に縁どられた玄関は華美では無くも高級感のある和風造りで、ロビーの様子も玄関同様由緒ある老舗旅館らしい落ち着きと、和風でありながらどこか大正浪漫的な洋風の味付けがある。

 玄関は無人で電話だけが置いてあった。
 そこから連絡するとすぐ行きますよと返事があったが、シンとして誰も来ない待ち時間は長く感じた。
 ようやく現れた品の良い女将さんは宿帳の記載を見て、自分も東京の出身だと言う。
 太平洋戦争の空襲でみんな焼けてしまったという話を聞くと、結構なお年なのだと思うが年齢は不詳だ。
 部屋へ案内すると言うので帳場から出てきた女将さんは足が悪いようだった。
 だから電話ですぐに行くと言ってもなかなか来られなかったのかもしれない。

 部屋は二階だと帳場の横の階段を昇った。
 明るい蛍光灯よりもほのかなガス灯の方が似合いそうな小部屋や選べる色浴衣が見えるようにあえて開けたままの箪笥がある。
 廊下も隅々まで洒落ている。
 しかしつんけんしたわざとらしさではなく新しそうなのにノスタルジックな雰囲気があり、何よりつい先ほどまできっちり清掃して置物も全て位置を整えたようにも見えるのにどこにも人の気配が無い。
 日本家屋にしろ洋風の建物にしろ、長い時間が経つと染みついてくる湿った臭いのようなものがあるが、ここにはそれがあまり無い。

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